新型コロナウイルス感染の影響のもとで、一部の企業ではすでに週休3日制が採
用されてきているが、さまざまな働き方を探ろうということで政府が週休3日で
働ける仕組みである「選択的週休3日制」導入の検討を始めた。
週休3日制へ、そのメリットとデメリットは給料は増える?減る?
希望者は週休3日を選べる代わりに給料が減る「選択的週休3日制」が、新型コ
ロナウイルス感染の抑制や副業へのニーズの高まりによって検討されている。し
かし、まだまだ労働者にも企業にもこの週休3日制に対する不安が大きいのも事
実だ。
今、なぜ週休3日制か?
「週休3日制」の議論が話題を呼んでいる。これは、単純に週の休みを3日にす
るという内容ではない。それだけになおのこと賛否両論は存在するのだ。政府内
での議論が始まっているのは「選択的週休3日制」。希望する社員の休日を週3
日とする代わりに、給料を削減するというものだ。給与の減少に対して補助も検
討されているものではあるのだが、労働者側の立場でも自由な時間の拡大を望む
か、給料の維持を望むかは意見の分かれるところである。もちろん、企業側とし
ても休む社員分の労働力が減るため、導入しづらい面もある一方で、人件費削減
やこれまでの枠組みでは採用することが困難であった人材を確保しようという動
きも出ているなど、やはりここでも賛否が分かれるところだ。
なぜ今、週休3日制の話が話題に上がってきているのか。それは、新型コロナウ
イルス感染の影響だ。社員の出勤を減らす対策であり、また、副業など新しい働
き方のニーズの高まりだ。経済への打撃で増えた失業者の雇用を確保したいとい
う思惑もある。いずれにせよ、選択的週休3日制の導入は、副業の促進や、柔軟
な働き方推進に狙いがあると言えるのだ。逆に言えば、残業や休日出勤を当たり
前ととらえている労働者の場合、週休3日のメリットは少ないといえる。しか
し、実際は中高年のほうが週休3日に近い存在かもしれない。現在もうすでに実
質的には週休3日制に近い働き方になっている人たちがいる。フリーランスや副
業などで複数の仕事を掛け持ちしている人の中には、すでに週休3日制で副業を
するのと変わらない働き方の人もいる。
ただし、これはごく一部の人たちのこと。
週休3日制になったらもちろん給与は減るのであるから、収入を確保するために
はたとえ副業が義務化されなくても働かざるを得ない環境になってくる。仮に、
週休2日と同じだけ稼ぐためには、一日増えた休みを使って働く必要がある。そ
のような一日だけ働く人間を雇用する企業などほとんどないに等しい。
もちろん給与も低くなる。有給などの労働者の権利も無いであろう。結果として
収入が減り、ひいてはせっかく増えた休みも減る可能性もある。やりたい事がで
きるようになる人や趣味に費やす時間が増える人などというのは、もともと一部
の余裕のある人のみだ。現状でも忙しいのにさらにこの上仕事を探さないといけ
なくなるといったことに陥る可能性は否定できないのだ。