酒類を製造、販売する大手メーカー各社が、ビールやチューハイに含まれるアル
コールについての表示において、そのアルコール度数とともにアルコールのグラ
ム量をウェブサイトで公開する取り組みを始めるということである。
将来的にはウェブサイトのみでなく商品自体にもグラム量を記載していくという
ことだ。
人体に接種されるアルコール量については生活習慣病のリスクの高まりが以前か
ら指摘され続けてきているが、最近では10%近いかなり高い度数のチューハイ
などが人気を呼んでおり自覚のないうちにアルコールの大量摂取の危険性が指摘
される。
厚生労働省によると、生活習慣病のリスクが高まるのは男性が1日当たり40グ
ラム、女性で20グラムとされている。
これは350ミリリットル缶で度数5%の缶ビールではアルコールの比重から算
出すると14グラムとなり、男性は3缶、女性は2缶でその目安を上回ってしま
うことになってしまう。
このアルコール量の表示には、人体へのアルコール摂取の目安を分かりやすく表
示することでいわゆる「適正飲酒」を促す狙いがある。
「適正飲酒」においては、厚生労働省は「節度ある適度な飲酒」なるものをこの
ように定義している。
「通常のアルコール代謝能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒とし
て、1日平均純アルコールで20g程度である。」ということだ。
20gとはどれぐらいのことをいうのかというと、おおよそビール中ビンなら
1本、チューハイ(7%として)350mL缶なら1本、日本酒なら1合程度に
相当する量となる。
ただし、ウェブサイトでは意味がないという声も大きい。
よくよく考えてみれば、ビールやチューハイを買うとき、あるいは買った後でそ
のアルコール量をいちいちウェブサイトで確認することなどめったにしないもの
である。
やはり、アルコール量の表示をするなら購入した時にわかるようにするのが必然
と言える。
将来的にはウェブサイトのみでなく商品自体にもグラム量を記載していく、など
と悠長なことを言っている暇はないはずだ。
さらに、アルコール摂取量を考慮するのなら前述のようなかなり高い度数のチュ
ーハイなどの販売自体のことも考えていく必要があると考えられる。
それこそ自覚のないうちにアルコールを大量摂取する危険性の方をはるかに気に
する必要がある。
アルコール量を表示することの真の意味が今後問われることになろう。