ア・リーグ西地区で4位に沈み、7年連続でプレーオフ進出を逃した今シーズン
のエンゼルスに今注目が集まっている。投げては今シーズン9勝を挙げ、打って
は46本塁打と活躍した大谷翔平投手が「勝ちたい」と発言したこともあって、
プレーオフ進出を目指すこのオフの補強に期待が膨らんでいる。ただ、そんなエ
ンゼルスにとって気がかりとなりそうなのが守護神ライセル・イグレシアス投手
の流出危機だ。今シーズンは65試合に登板し、7勝5敗34セーブ、防御率
2.57をマークした右腕はこのオフにFAの資格を得る。今シーズンのエンゼ
ルスの不安定だった救援陣の中でただ1人、安定した成績を残したイグレシアス
には複数球団が興味を示すと見られている。
フィリーズが興味
フィリーズが本拠地を置くフィラデルフィアの地元紙「フィラデルフィア・イン
クワイアラー」は、このオフのフィリーズの補強のターゲットとしてイグレシア
スを「最高の選択肢となる可能性が高い」と伝えている。フィリーズのデーブ・
ドンブロウスキー球団編成本部長は、これまでレッドソックスで編成本部長を務
めるなど、在籍球団で大型補強を敢行してきた経歴を持つ人物だ。ただ、記事で
は「贅沢な資金投入が、必ずしも賢明なアプローチではないことを実感してい
る。82勝80敗に終わったフィリーズの今シーズンを分析したドンブロウスキ
ーによると、彼らには“打線の主軸”や“先頭打者”、“守護神”、そして状況次第で
遊撃手が必要になるとしている。」としている。このオフ、メジャーリーグでは
コーリー・シーガーやハビアー・バエス、トレバー・ストーリー、クリス・ブラ
イアントといった大物選手がFAになるものの、「私が思うに、市場に乗り出し
て大物を獲得するのが常に(補強の)答えだとは思っていない。チームにフィッ
トする補完的な選手も必要になってくる。」と語り、なおかつ「我々はもっとう
まく試合を締める必要がある。それは疑いようがない。優先事項として答えを求
めていくだろう。」としてクローザー補強の必要性にも言及している。そこで浮
上してくるのがイグレシアスの存在となる。このオフにはドジャースのケンリ
ー・ジャンセンという実績あるクローザーもFAとなるが、イグレシアスの今シ
ーズンの年俸は571万ドル(約6億5000万円)で、ジャンセンの2000
万ドル(約22億7000万円)よりも遥かに格安となっている。それだけに、
記事では「イグレシアスはその中でも最高の選択肢となる可能性が高い」と補強
の候補に推している。
今後のエンゼルス
ただ、エンゼルスとしてはたまったものではない。もちろん、「勝ちたい」との
発言のあった大谷も同様だ。今後、エンゼルスとしては何としてもイグレシアス
の残留に力を注いでいくこととなろう。