16日(日本時間17日)、シカゴで行われたホワイトソックス対エンゼルスの
一戦は9対3でエンゼルスが勝利した。この試合で、大谷翔平投手が「3番・D
H」で先発出場した。初回と5回表に内野安打を放つなど4打数2安打2三振1
死球で打率は.256に上昇となった。しかし、これで5戦連続で本塁打無しで
44本塁打のまま、打点94も変わらなかった。本塁打王争いのライバルでは、
ロイヤルズのペレスがアスレチックス戦で3試合連続の45号を放ち、この日試
合のなかったブルージェイズのゲレロに並んだため大谷は3位へと後退した。な
お、この試合では大谷への死球を巡って退場者が出るなど、なんとも後味の悪い
試合結果となってしまった。
退場者は
9回表、エンゼルスの攻撃で大谷はホワイトソックス6番手右腕・ライトの9
0.4マイル(約145.5キロ)のフォーシームを右ふくらはぎ付近に死球を
受けた。直前の3球目も内角球で2球の危険な球が続いたこともあり、これまで
も内角への厳しい球が続いていたこともあってか、審判団が協議に入った。そし
てライトが退場、その処分に抗議したホワイトソックス・ラルーサ監督も退場処
分を受けた。この試合後、エンゼルス・マドン監督は「あれは報復だ。私たちは
知っている。」と語気を強めて語った。
マドン監督の主張
マドン監督が主張するにも理由がある。14日(日本時間15日)の対ホワイト
ソックス3連戦のカード初戦の出来事だった。この試合中、エンゼルスの4番手
投手オルテガが5回裏にホワイトソックスの若き大砲ロベルトに、続いては5番
手投手タイラーが8回裏にホワイトソックスの主砲アブレイユにぶつけていた。
16日(日本時間17日)の試合後に報道陣から「大谷への死球はわざとだと思
うか?」と問われたマドン監督は間髪入れずにこう答えた。 「間違いないね。
私たちも2人に死球を与えていた。タイラーがアブレイユに当て、オルテガのす
っぽ抜けた球が死球になった。だから、あれは報復だ。私たちは知っている。」
とした。一方、通算91度目にもなる退場処分を受けたラルーサ監督は、「(審
判団に)あれは故意じゃないと言ったんだ」と主張した。大谷は死球を受けた後
に何事もなかったかのように一塁へ歩き、いざこざの最中に一塁手シーツと塁上
で談笑する場面もあった。この日は内野安打2本で9試合ぶりのマルチ安打をマ
ークした。復調の兆しを見せただけに、大きな故障につながらなかったことは何
よりもの幸いだ。