アップルは音声アシスタント機能である「Siri(シリ)」について、利用者
に対し設定する際にさまざまな声の中から選択するように求めると発表した。
こらは、アップルが「Siri(シリ)」において女性の声をデフォルトとする
ことを取りやめるということ。
「Siri(シリ)」の利用者は現在、その音声を男性のものと女性のものから
選ぶことができる。さらに、アクセントもアメリカやイギリス、インドなど6種
類のうちから選べる。しかし、アメリカではこれが女性の声がデフォルトとなっ
ている。そして、イギリスなど一部の国では男性の声がデフォルトとなってい
る。
また、 アップルはさらに2つの新しい音声を追加すると公表した。
今回の音声の追加について、アップルが長期にわたって進めている多様性と包括
性に対する取り組みや、この世界の多様性をよりよく反映するよう設計された製
品とサービスへの取り組みの延長上にあるものであるということだ。
今回の変更はすでに、iOS14.5ベータ版で利用できる。
Siriやアマゾンの「アレクサ」などの音声アシスタントにおける男女をめぐ
る固定観念は、長い間懸念材料となってきた。
国連は2019年に発表した報告書で、音声アシスタントが、女性は愛想がよ
くて従順で心を込めてもてなす助力者であり、ボタンひとつやぶっきらぼうな声
による命令で利用できるという考えを固定化させると警告していた。
ただ、多くの人が感じていることだが、女性の方が声が高くて聞き取りやすいの
は事実だ。どうしても男性の声は低くて暗い印象を与えがちなので、こういった
ものに関しては不向きかと考えられるのだ。
難聴など日常生活に支障のある人などは特にそうなる。
聞き取りやすさよりも、性的平等やジェンダーに関することの方が大事というこ
とになりかねない。今後、ありとあらゆるものを性的差別に絡めていく風潮に一
石を投じることにつながっていきかねない。