4月6日、甲子園球場で行われた阪神対巨人戦は6対2の結果に終わった。
試合は序盤から雨中での戦いとなり、幾度かのグランド整備を挟みながらとな
り、最終的には7回裏の阪神の攻撃が終了した時点でコールドゲームが宣告さ
れ、阪神の勝利となった。
ただ、何の前触れもなく試合が突然打ち切られた印象だ。
7回裏、結果的には最終打者となった阪神の佐藤がライトフライに打ち取られて
スリーアウトとなった後、審判員がグランド上に集まり協議を始めた。
そして、話し合いを終えた直後に球審が突然コールドゲームを宣告となった。こ
の日は試合前から雨が降り続けており、試合の途中で雨脚が強まる場面もあっ
た。グランド状態が悪くなるたびに土が入れられたが、それでも途中で試合が中
断されることはなかった。
それだけに突然の試合終了宣告に巨人の原辰徳監督は3塁側ベンチから飛び出し
て両手を挙げ、「WHY(なぜ)」のポーズ。そして審判のもとへ歩み寄り説明
を求めた。
なお、野球規則では「球審はプレイを中断した後、少なくとも30分を経過する
までは、打ち切りを命じてはならない」と規定している。また、その一方でセ・
リーグアグリーメントでは「降雨が激しく、試合続行が不可能と思われたときに
は、30分を待つことなく、試合を中止することができると」と定められてい
る。
この時点では、雨脚が強くなったこともなかったがいきなり試合終了になったこ
とで困惑する関係者も多かったであろう。たいがいは中断をはさんでから、試合
続行か終了かを判断するもの。
つまり、審判団はグランド状態を見極めたうえでセ・リーグアグリーメントに沿
った形で30分を待つことなく試合終了の判断を下したとみられる。
ではあるものの、阪神、巨人両チーム、さらには観客への説明はすべきであった
ものと考えられるのだ。
この後、原監督は試合後困惑しながらも審判団の判断を受け入れる姿勢を見せた
というが、いずれにしてもなんとも後味の悪い結末となってしまった感は否めな
い。
しかし、今回の原監督の行動は当然といえよう。逆に阪神が負けていたら矢野監
督が同じ事をしたはずだ。
また、雨は降り続いていたのであるからせめて試合成立の5回で終了しておけば
周囲も納得の形になったであろうと思われる。
ではあるが、審判団の説明は必要だ。原監督が抗議に行かなければ、巨人ベンチ
への説明もせずに終わろうとしたのではないかと考えられる。
説明が無いままでいきなり終了させるような感じがこの後味の悪さを生んでしま
ったものとなった。