アメリカ大リーグ(MLB)のロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles
Dodgers)のエース、クレイトン・カーショウ(Clayton Kershaw)投手が、今
シーズンのMLBでノーヒットノーランの達成者が激増しているのは喜べないとの
思いを語った。
今シーズンのMLBでは開幕からわずか49日間で合計6人のノーヒットノーラン
達成の投手が誕生している。これは、歴代1位となるシーズン最多の8人を記録
した1884年を上回るペースとなっている。また、ここ最近では最多となって
いる1990年、1991年、2012年、2015年の合計7人に並ぶまでし
でにあと1人と迫っている。カーショウ投手自身も、2014年のコロラド・ロ
ッキーズ(Colorado Rockies)戦でノーヒットノーランを達成している。
19日、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のコーリー・クルー
バー(Corey Kluber)投手が今シーズン6人目、そしてア・リーグで2日連続
となるノーヒットノーランを成し遂げた後、カーショウ投手は「これは良くない
と言えるだろう」と語った。そして、「ノーヒッターは素晴らしいことだし、そ
の快挙を達成したクルーバーたち全員をリスペクトしている」としながらも、
「だけど、毎晩それが起こっているのは、この競技にとって良くないことかもし
れない」と話した。このカーショウの見解に対しては、好投以上の要素がノーヒ
ットノーラン達成投手の量産につながっていることを認めるものとなっており、
実際に要因を突き止める動きが始まっている。
実際の要因とは
最近は投手陣のパワーピッチングが重視されていることに加えて、打撃陣は三振
を恐れず打ちに行く姿勢を見せている。今シーズンのMLBでは実際に三振率が非
常に高く、攻撃力が全体的に落ち込む中で、打者の平均打率は歴代ワーストとな
る.236となっている。また、本塁打数は過去最高となった2019年の1試
合平均1.39本から今シーズンは平均1.14本に減少している。その要因の
一部としては、MLBが今季から球の重さを約3グラム軽くして打球の飛距離が
これまでよりわずかに伸びなくなっていることにある。しかしカーショウは、球
のマイナーチェンジによるパワーの均衡は「的外れ」であると指摘している。そ
して、「本塁打数が減少しているようだし、それがリーグの目的だと推測する
が、4月の打撃は史上最低レベルの成績になっている」と語った。
ただ、ノーヒットノーラン達成投手は6人なのであるが、それをされたチームは
3チームしかない。マリナーズ、レンジャーズ、インディアンズが各2回となっ
ている。この3チームからすれば、ノーヒットノーラン達成投手の急増の理由に
ついて言及するよりも、当面の問題としてはチーム自身の打撃陣の低調さの方を
なんとかせねばなるまい。