日本ハムを自由契約となった西川遥輝外野手が楽天入りすることとなった。西川
は海外フリーエージェント(FA)権を保有している身でありながら日本ハムを
自由契約、いわゆるノンテンダーとなっていたものだ。つい最近までは巨人がい
ち早く獲得調査を進め水面下で交渉に臨んでいたが、条件面などで折り合わず撤
退した模様。楽天入りについては西川自身も慣れ親しんだパ・リーグでのプレー
を希望したようだ。

今シーズンのタイトルを含めて4度の盗塁王を獲得している西川が、来シーズン
は仙台で疾走する姿を見られることとなりそうだ。大田、秋吉とともに、FA権
を保有しながら日本ハムから自由契約選手、ノンテンダー扱いとなることが発表
されたのが去る11月16日のことだった。そして、いち早く興味を示していた
のは巨人だった。巨人は近年1番打者が固定できていない状況下で、プロ11年
間で通算3割8分という驚異の出塁率の実績とそのスピードの高さに着目し、来
シーズンの1番打者候補として獲得調査を進め水面下で交渉を重ねていたが、条
件面で折り合わず撤退する選択に至った。他にも複数の球団が獲得への関心を示
していた中で、チーム事情と西川本人の間で最も条件が合致したのが楽天だっ
た。楽天は2013年以来9年ぶりとなるリーグ優勝と日本一に向け、巨人と同
じくスピード強化を来シーズンの大きなテーマとしている。今シーズンはチーム
盗塁数が45個に終わった。これで2018年から4年連続のリーグワーストを
記録した。今季の盗塁成功率.556もリーグワーストとなった。楽天で過去に
盗塁王を獲得しているのは2005年の球団創設以来、2012年に54個の盗
塁を決めてタイトル獲得の聖澤諒ただ一人で、西川の加入はスピード面での課題
の解消につながるとみられている。プロ3年目の2013年から9年連続で2桁
の盗塁をマークしている西川は4度のタイトル獲得の実績があり、通算311盗
塁をマークしている。その中でもさらに注目されるのが.847という高い成功
率だ。300盗塁以上の選手ではかつての南海・広瀬叔功の.829を大きく上
回る歴代最高の数字を挙げている。そのスピードだけではなく卓越した盗塁技術
はチーム全体の底上げに貢献する好影響も期待できるといえる。今シーズンは打
撃面では打率.233と低調に終わったものの、慣れ親しんだパ・リーグで引き
続きプレーできることは西川自身にとって復活に向けた好材料といえよう。今シ
ーズンは、リーグを制したオリックスの絶対的エースで投手部門のタイトルを総
なめにした山本由伸を直近の2シーズンで打率.429と攻略しているのも心強
い材料だ。西川はプロ12年目の来シーズンは30歳となる。その持ち前の快足
で、まさに楽天のけん引役となる期待が大きい。
西川の年度別打撃成績は

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