セ・パ交流戦を負け越し、首位を行く阪神に7ゲームもの差をつけられてのレギ
ュラーシーズン再開となった。早くも球団OBのみならず巷間からも逆転優勝へ
の黄色信号が灯った、いやもう赤信号だとも言われていたのだが原辰徳監督はど
こ吹く風。シーズン再開直後のカード、敵地・甲子園での阪神との直接対決を2
勝1敗で切り抜けると、ここから連勝街道が待っていた。気が付けばあれほど遠
かった虎の尻尾が、手を伸ばせば届くところまで来ている。6月22日からの
DeNAとの北陸シリーズ2連戦を2連勝とすると、続いての2位を争うヤクルト
との神宮での3連戦を3連勝で今季初めての7連勝だ。神宮で仕事を果たしたの
が四番の岡本和真だ。25日のまず初戦は、2点リードの3回表一死一、二塁で
打席に入ると、ヤクルト先発・石川雅規の初球シンカーをセンターバックスクリ
ーンへ運ぶ3ランを放った。この日は7回表にもダメ押しの7点目となる適時打
を放ち、2安打4打点の成績だった。翌26日には1安打2四死球と勝負を避け
られたが、27日は1対1のタイスコアで迎えた6回表、それまで2打席連続三
振を喫するも、二死一、三塁の好機にヤクルト先発スアレスのこれまた初球のカ
ットボールを右翼席に叩き込む勝ち越しの21号3ランを放った。神宮での3試
合で4安打2本塁打7打点の大活躍を見せた。最近は走者を置いた場面で打席が
回ってくることが多く、得点圏打率も.293と上昇中だ。何よりこの日時点で
の打点66は、2位のヤクルト・村上宗隆の51に15打点差をつけるセ・リー
グトップの好成績だ。この主砲の働きに原監督は、「チームの中でも信頼という
ものがあるしね。みんなで託すというのかな。そういうところもすごく出てきて
いるっていうのは、やはり四番バッターの証ではないかなと思いますね。」と目
を細めた。岡本は実は自他ともに認める夏男だ。骨折離脱していた坂本勇人、不
調だった丸佳浩、左太もも裏の違和感で二軍調整だった梶谷隆幸が6月後半に相
次いで復帰となった。岡本の周りを固める選手たちが状態を上げているのも、岡
本にとってはプラスだろう。四番がより働きやすい環境が整備された。
6月27日がレギュラーシーズン折り返しとなる72試合目となった。投打とも
に故障者が出た中で、チームは粘り強く戦ってきた。それでも原監督は、「で
も、そんなこと(故障者が出たという言い訳)一言も言ったことなかったでしょ。
すべて今日のベストだというつもりでいます。これは強がりではなくてね、それ
がペナントレースですから。これからも変わらないと思います。」と語った。さ
らに首位・阪神に迫るチームには追い風が吹く。「久しぶりに東京ドームに戻れ
るっていうのは良いことですね」と原監督は続けて話した。29日からの3連戦
は6月6日以来、久しぶりに東京ドームへ戻っての戦いとなる。阪神の勝敗次第
では、一気に首位交代もあり得る状況になった。