東京オリンピックの開幕まで残り2カ月となり、22日、国際オリンピック委員
会(IOC)のトーマス・バッハ会長が国際ホッケー連盟のオンライン総会で「オ
リンピックの夢を実現するために誰もがいくらかの犠牲を払わないといけない」
と発言した。さらに、バッハ会長は「東京がようやく間近に迫った今、最後のカ
ウントダウンが始まった。この困難な時期に私たちはリカバリー、団結、多様性
について強いメッセージを送る必要がある。東京はトンネルの終わりに光を放つ
だろう」と述べた。そして、「アスリートは間違いなく彼らのオリンピックの夢
を実現できる」と語った。
このバッハ会長の発言に対してネットは紛糾。東京オリンピックの予定通りの開
催を強調したことにネット上では憤りの声があふれ、「バッハ会長」がトレンド
ワードに入るほどとなった。
ツイッター上では「オリンピックは犠牲を払って開催するものなのか」「今まで
で一番悪質な発言では?いくらかの犠牲って五輪のために多少人が死んでも仕方
がないってこと?」「明るい光なんてまったく見える気配がないけど」「ならバ
ッハ会長自身は、一体どんな犠牲を払うんでしょうか?」などと憤る声が相次い
でいる。
周知のとおり、オリンピック開催をもっとも後押ししているのはアメリカであり
アメリカメディアである。アメリカは7月4日の建国記念日からは新型コロナウ
ィルス騒動以前の生活と経済に戻すとバイデン大統領が声明を出している。他国
から見れば、日本の国内の混乱や世論がどうなっているのかなどと言うことはわ
からないことであるだろうし、そもそもわかろうともしない。
2019年秋に(東京オリンピックであるにもかかわらず)マラソンを東京から
札幌に無理矢理変更した時から、日本国内や東京の声など開催国側の意見を無視
してことを推し進める手法に対しても世論の反発があったものだ。
これから2カ月、どうもすんなりと事が運ぶようには思えない。