21日、国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長は東京が緊急事
態宣言下でも今夏のオリンピック大会を開催する考えを示した。コーツ氏は、
「宣言が出ていようと出ていまいと、われわれが取っているすべての対策で安全
な大会は可能だ」と語った。さらに コーツ氏は、日本国内の世論調査で過半数が
東京でのオリンピックの開催に反対している現状については、「ワクチン接種率
と世論調査に相関がある。ワクチン接種者が増えれば世論調査の数字も良くなる
ことを期待している」と述べた。
IOCは、19日から3日間にわたって調整委員会をテレビ会議形式で開催し
た。最終日に会見したコーツ氏は、「東京オリンピックは実施段階に入った」と
述べた。さらに、選手の新型コロナウイルスワクチン接種を支援する準備は整っ
ているとした上で、「安心・安全な大会の実施に向け、日本のパートナーと協力
を続けている」と語った。そして、東京が緊急事態宣言下でも開催可能かとの質
問を受けて、これまで実施されたテストイベントに言及した上で、「もちろん
だ」と答えた。コーツ氏は参加予定選手の60%がワクチン接種済みだと説明し
た上で、オリンピックの開催に反対の日本の世論については「ワクチン接種率高
まれば改善が期待できる」と語った。
東京オリンピック組織委員会は
他方で、東京オリンピック組織委員会の橋本聖子会長は、東京オリンピックで来
日する関係者は7万8000人程度と昨年のオリンピック延期前の計画の半分に
圧縮してさらなる合理化に務めると述べた。 緊急事態宣言下での開催について
は、「医療に支障を来すようでは難しいと思う」と指摘した。オリンピック開催
で必要な医師は1日当たり230人程度、看護師は310人程度で、8割は確保
されていると語った。 同じく組織委員会の武藤敏郎事務総長は、必要な医師と
看護師の数の試算値に関しては、国内の観客数の上限が未定のために幅があると
説明した。さらに、海外メディアに対する行動制限ルールは報道の自由に制限を
かけるものではないと述べた。会合では、日本国内のアスリート以外の大会関係
者のワクチン接種についても議論したことを明らかにした。また、仮に接種する
場合にはそのためにワクチンを追加で確保することが前提の上であると語った。