
27日、甲子園球場で行われたプロ野球交流戦の阪神対ロッテ戦で、ロッテの
佐々木朗希投手がプロ初勝利を挙げた。試合はロッテが6対4で阪神を下した。
序盤から点の取り合いとなった。初回、ロッテの荻野貴司外野手の通算8本目と
なる先頭打者弾でロッテが先制した。阪神は2回に大山悠輔内野手とジェリー・
サンズ外野手の連打で無死一、三塁とし、佐藤輝明外野手とラウル・アルカンタ
ラ投手の2本の適時打で2点を挙げて逆転した。続く3回にもサンズの適時打で
3点目を追加し、序盤でロッテ先発の佐々木を攻略した。
5回にロッテはアデイニー・エチェバリア内野手の犠飛で1点差に迫るも、阪神
はその裏に再びサンズの適時打で4点目を奪ってロッテを突き放した。佐々木は
5回4失点で降板した。
この時点では佐々木は負け投手のはずだったが、6回にロッテ打線が奮起する。
2死無走者からの四球と安打で一、二塁の好機を作り、角中勝也外野手が左中間
を破る同点の適時二塁打。さらに藤岡裕大内野手の一、二塁間への打球を一塁の
ジェフリー・マルテ内野手が好捕したものの、一塁への送球が悪送球になり、角
中が勝ち越しのホームを踏みついに逆転した。さらにロッテは8回にもレオネ
ス・マーティン外野手の16号本塁打でリードを2点に広げた。
阪神は6回以降、ロッテの継投にかわされ、両リーグ最速の30勝到達は持ち越
しとなった。
佐々木朗希投手のピッチング内容は
負け投手から一転して勝利投手へ。ロッテの佐々木朗希投手が高校時代にたどり
着けなかった甲子園で、念願のプロ初勝利を挙げた。
最速154キロの直球を主体に、セ・リーグ首位を走る阪神打線に立ち向かっ
た。5回を投げて7安打4失点(自責点3)。強い打球を打たれることも多かっ
たその一方で、三振を5個奪うなどの能力の高さも示した。5回で降板するも、
6回表にチームが逆転し、勝利投手の権利が舞い込んだ。2019年のドラフト
会議ではパ・リーグの4球団が1位競合した末に、ロッテの井口資仁監督が引き
当てた金の卵だ。プロ1年目の昨季は肉体強化のため、実戦登板はなしに終わ
る。そして2年目の今季、2軍で計画通りに実戦を重ね、5月16日の本拠地
ZOZOマリンで行われた西武戦で一軍デビューを果たしていた。 岩手県大船渡高
時代には国内高校生歴代最速の163キロをマークしているが、現在は150キ
ロ台前半から中盤が主体のピッチングだ。これは、「心と体のコントロールをす
ること」をテーマに、長いペナントレースを視野に入れたスタイルを作り上げて
きたもの。その努力がついにこの日報われた。