
月曜~金曜の後9時放送のNHKの報道番組「ニュースウオッチ9」の
有馬嘉男キャスター(55)が3月末で降板することが発表された。
後任は元ワシントン支局長の田中正良氏(52)。
共演の和久田麻由子アナウンサー(32)は続投するとのことだ。
NHKサイドは左遷でも官邸から圧力を受けた事実もないと言ってはいるが
過去にも似たような事例があっただけに今回の人事は何とも不透明であると
言わざるを得ない。
この有馬キャスターの場合、2020年10月、菅義偉首相が「ニュースウォッチ9」
に生出演したとき、首相サイドは所信表明についての話を聞きたいという
申し出を受け出演を受諾したのに対し、
有馬キャスターはここで所信表明にない学術会議について首相に何度も話を
聞いた。
そして、菅首相は露骨に不快感を示した。
もちろん、報道番組のキャスターとしては当然のことではあるのだが
このことに対して官邸サイドは激怒し、NHK側としても有馬キャスターの降板
に動かざるを得なくなったと言える。
過去にも同じ「ニュースウォッチ9」で2010年3月から2015年3月までキャスター
を務めた大越健介氏(59)も同様の扱いをされている。
大越氏は番組内でも結構自分ではっきりと意見を述べるタイプのキャスターで
あったが、どちらかと言えば当時の安倍政権に対しては批判的な立場であり
そのコメントのほとんどが首相官邸には耳障りなことばかりだったようだ。
また、長年「クローズアップ現代」のキャスターを務めていた
国谷裕子氏(64)も2016年3月末で同番組のキャスター降板となっている。
この番組は通常の報道番組に比べ、その時期の特定のニュース、話題を深く追求
していくタイプの番組であり、
集団的自衛権を取り上げた際、キャスターの国谷キャスターが当時の
菅義偉官房長官に鋭く問題点を問い詰めた。
この一件で官房長官はいたく激怒、国谷キャスターの降板への流れとなった
ということだ。
このように見てきても、過去に何度も同じようなことが繰り返されてきている
ことを考えても今回の有馬キャスターの降板のウラにどのようなことがあった
のかを想像することができよう。