
14日(日本時間15日)、アナハイムで行われたエンゼルス対アストロズの一
戦はアストロズが8対2でエンゼルスを下した。この試合でエンゼルスの大谷翔
平投手が「1番・指名打者」で先発出場し、初回に自身2度目となる先頭打者本
塁打の39号アーチを放つなど、5打数2安打1打点1盗塁と活躍を見せた。こ
れが11戦ぶり今季31度目のマルチ安打となり打率を.269とした。エンゼ
ルスは大谷の先頭弾などで先制するも逆転負けで借金2となった。
大谷の打席は
この日のアストロズの先発は、今季8勝(6敗)を挙げているルイス・ガルシア
投手だった。ガルシアはア・リーグの新人王候補に名を連ねる新鋭右腕。初回、
先頭の大谷はその3球目のチェンジアップを軽々と救い上げ、右翼スタンドに放
り込む39号ソロは先頭打者本塁打となった。3試合ぶりの一発で大谷はエンゼ
ルス左打者最多本塁打のレジー・ジャクソンが作った1982年の球団記録に並
んだ。ジャクソンはメジャー通算563本塁打、2584安打を誇り、1993
年に殿堂入りを果たしている。この伝説の強打者に並ぶ一発で40本の大台に王
手をかけた。続く3回裏先頭の第2打席は同じく相手投手ガルシアの93マイル
(149キロ)の直球を中前打とした。これはガルシアの顔面を直撃しそうなほ
どの弾丸ライナーで、球場にどよめきが起こった。そして次打者の初球に二盗成
功で盗塁数は17に伸びた。その後6回裏の第3打席は三振、7回裏の第4打席
は中飛、9回裏は左直に倒れ、この日の結果打率2割6分9厘、86打点となっ
た。大谷のマルチ安打は4日(日本時間5日)の対レンジャーズ戦以来11試合
ぶりだ。また、38号を放った11日(日本時間12日)以降は5試合連続で安
打を放っており、8月序盤は不振にあえいでいたがこれで完全に脱したといえ
る。しかしエンゼルスはこの日の結果58勝60敗で借金2となり、プレーオフ
進出は厳しい状況に陥った。大谷の復調は心強いが、チームとしては奮起しない
限り苦しい戦いがまだまだ続く。
マドン監督のコメント
試合後、エンゼルスのマドン監督はチームの大敗で心なしか口は重たかったが、
大谷の活躍について問われると饒舌で、不振だったベテラン外野手アップトンが
1番で起用された直後に調子を上げたことから、「選手をそこに置くと、みんな
うまくやる」と話した後で大谷の打席については、「彼は自分のストロークを取
り戻しつつある」とした。さらに、時速185キロを記録した九回裏の強烈な当
たりの左直の打球速度に触れつつ、「ああいう打球をこれまでずっと見てきた。
少し疲労が回復されたのかもしれない。状態を戻してきていると思う。本当にい
い感じだ。」とにこやかに話した。