
28日、(日本時間29日)、アナハイムにて行われたエンゼルス対パドレスの
一戦は、10対2でエンゼルスが大勝した。この試合で、エンゼルスの大谷翔平
投手は「2番・指名打者」で先発出場した。「2番」に入るのは、8月10日
(日本時間11日)のブルージェイズとのダブルヘッダー第1試合以来18試合
ぶりとなり久々に「定位置」に戻った格好だ。そして、エンゼルス球団初の同一
シーズン40本塁打と20盗塁を達成した。
大谷の打席内容
初回無死一塁の第1打席でいきなりアクシデントに見舞われた。パドレス先発2
1歳左腕・ウェザースの93マイル(約149.7キロ)のフォーシームが大谷
の内角高めを襲う。そして、振りにいった右手首付近に直撃した。結果はバット
を振ったと判断されて空振り三振、この試合、何とも痛いスタートとなった。
しかし、こんなことでは終わらないのが今季の大谷だ。その後、打撃への影響が
心配されたが、3回裏1死の第2打席では積極的にバットを振りにいく。結局は
フルカウントからの9球目のスライダーに遊飛に終わるも、豪快なスイングを見
せてファンの不安を吹き飛ばした。そして迎えた5回裏の第3打席で四球を選ん
で出塁すると、すぐさま二盗を決めた。
これで球団史上初となる「40-20(40本塁打と20盗塁)」を達成した。
メジャーでは2019年ブレーブスのアクーニャJr.、ブルワーズのイエリッチが
達成して以来以来2年ぶりの快挙だ。ア・リーグで言えば、2011年ヤンキー
スのグランダーソン以来10年ぶりとなった。まさに投げて打って走っての3拍
子だ。真の意味でこのような野球選手は史上初と言える。この後、6回裏無死満
塁の場面では投ゴロ、8回裏先頭では空振り三振に倒れた。結局この日は4打数
無安打1四球1盗塁、これで打率は.264となった。エンゼルスはこの大勝で
連敗を3で止めた。また、試合後のエンゼルス・マドン監督はこの日の初回のア
クシデントを踏まえた上で、次回の大谷の登板についての質問に対しては明言を
避けた。
次なる目標
パワーの象徴である本塁打、スピードの象徴である盗塁。その2つの能力をとも
に兼ね備えた選手はメジャーリーグでも評価が高いのは事実だ。ステータスにも
なる同一シーズンでの30本塁打、30盗塁を達成した選手たちのことをメジャ
ーリーグの世界では「30-30クラブ」と呼んでおり、長いメジャーリーグの
歴史の中でこれまで41人(のべ64度)が達成している。さらに言えば、これ
よりもハードルの高い40本塁打、30盗塁は11人(のべ13度)が達成して
いるに過ぎない。大谷は今シーズン残り31試合でこれらに記録にどこまで近づ
くことができるのか。これからも大谷の活躍から目が離せない。