10日(日本時間11日)、ヒューストンにて行われたアストロズ対エンゼルス
の一戦は10対5でアストロズが勝利した。この試合で、エンゼルスの大谷翔平
投手が「2番・投手」で先発出場、初回の打席で4戦ぶりとなる第44号ソロを
放った。この先制弾で自身を援護した形となったものの、投げる方では3回1/
3を投げて自己ワーストの被安打9、自己ワースト2位となる6失点で5月28
日の対アスレチックス戦以来105日ぶりの2敗目(9勝)を喫した。防御率は
3.36となった。1918年のベーブ・ルース以来、103年ぶりの偉業にあ
と1勝に迫っていた大谷であったが、「2桁勝利&2桁本塁打」は次回登板に持
ち越しとなった。

初回エンゼルスの攻撃、1死走者なしの場面だった 。敵地のファンがどよめく
中、飛距離112メートル、時速185キロの弾丸ライナーが右翼席に突き刺さ
った。4登板連続、18度目の投打同時出場の大谷がフルカウントから内寄りの
151キロのシンカーをそのバットにとらえた。4戦ぶりの第44号だ。この日
不発に終わった本塁打王争いで2位につけている2人、ロイヤルズのペレスとブ
ルージェイズのゲレロとの差を2本に広げた。自身の一振りで先制した大谷だっ
たが、投手としてはピリッとしなかった。初回からアストロズの強力打線の前に
ボールが高めに浮く苦しい内容だった。初回、二回とも先頭に安打を許しながら
粘りの投球で無失点に切り抜ける。エンゼルスが2対0とリードして迎えた三回
裏、3連打など4長短打で3点を奪われ逆転された。その直後、四回表に味方打
線が2点を奪い返して再逆転となったが、その裏に再び乱れてしまう。アストロ
ズ7番からの下位打線に対し、無死から死球と安打で一、二塁とされると、次打
者の初球が暴投となり二、三塁とピンチを広げてしまう。そして、1死後にアル
トゥーベにこの日3本目の安打となる同点適時打を浴びた。この時点ですでに7
7球。前回3日の登板で自己最多の117球を投げた大谷だったが、ここでたま
らずマドン監督がベンチを飛び出し、投手交代を告げた。大谷は悔しさいっぱい
の表情を浮かべマウンドを降りながらグローブをクルクルと回した。その後は大
谷が残した2走者を2番手投手が生還させてしまい、大谷の自責点は6になっ
た。これで、ここまで2点台だった防御率は3.36にまで跳ね上がってしまっ
た。
再び申告敬遠
投打同時出場した試合では3本目となった初回の本塁打の後は、三回表の打席で
四球を選んだ。そして、エンゼルスが再逆転に成功し、4対3となった四回表2
死二、三塁の第3打席では今季12個目、投手として出場した試合では初となる
申告敬遠で勝負を避けられた。ここで一発が出れば、一気にエンゼルスの勝利へ
むかって試合の流れが傾きかねない場面だけに、アストロズとしてもまともに勝
負することはなかった。これには大谷も特に表情を変えることなく、淡々と一塁
に向かった。ただ、これでおさまらないのがスタンドのファンだ。例によって、
敵地のスタジアムとは言えど大ブーイングの中での出塁となった。歩いて好機を
拡大した格好だったものの、後続にあと1本が出ずじまい。追加点を奪うことが
できなかった。結局、偉業達成は持ち越し。今のところマドン監督はこれからの
大谷の登板については何も語っておらず、その時期は不透明だ。