8日(日本時間9日)、エンゼルスの大谷翔平がロイヤルズ戦で放った当たりは
本拠地アナハイムの右中間スタンド中段に突き刺さる17号2ラン。これは打球
の軌道などを計測するMLBのスタッツキャストによれば、飛距離は473フィー
ト(約143メートル)のメジャー移籍後自己最長となる特大の一発となった。
今シーズン、現在本塁打王争いを繰り広げている大谷は並み居る強打者にも引け
を取らないパワーを見せつけており、5月26日のレンジャーズ戦で放った15
号3ランの打球速度は188キロで自己最速(185キロ)を更新した。飛距離
143メートルはホワイトソックス・メルセデス(約147・8メートル)、レ
ッドソックス・コルデロ(同144・5メートル)らに次いで今季メジャー5位
タイだ。打球速度(本塁打以外で)119マイル(約192キロ)はブルージェ
イズ・ゲレーロJr(同189キロ)を抑えて堂々のトップなのだ。今やメジャ
ーを代表するパワーヒッターに数えられるが、飛距離、打球速度とも更なる上積
みを期待できそうだ。なぜなら本拠地カリフォルニア州アナハイムの気象特性が
追い風になるからだ。年間を通して温暖なアナハイムのエンゼルスタジアムは8
月中旬以降、空気が乾燥し打球が飛びやすくなるため極端な打者有利になること
で知られる。この球場の最長記録は490フィート(約149メートル)で、レ
ンジャーズ・ギャロが2017年9月18日のエンゼルス戦で記録している。
大谷は気象条件などに恵まれれば球場記録どころか、レンジャーズ・マザーラが
2019年6月のホワイトソックス戦で放ったメジャー最長記録の505フィー
ト(約153・9メートル)の更新も決して夢ではなさそうな気配だ。エンゼル
スは8月下旬以降、ヤンキース、ホワイトソックス、アストロズといった好投手
が揃うチームとの対戦が控えている。大谷は地区優勝、ポストシーズン進出争い
が佳境を迎える終盤、本拠地で長打を量産し本塁打と飛距離を一気に伸ばしそう
だ。