
IOC(国際オリンピック委員会)が3月10日の午後8時(日本時間)より3
日間、第137回定期総会を開催する。
当初はこの総会はギリシャのアテネで開かれる予定であったのだが、新型コロナ
ウィルスの感染拡大防止のため、テレビ会議の形式で行われることに変更になっ
た。
この会議では、現在のバッハ会長の再選があるかどうかが重要な議題となる。
バッハ会長は1991年にIOC委員になり、その後同副会長を経て2013年
10月にIOC会長に選出された。
現在のところ、今回の総会においてバッハ会長の再選は有力だということであ
る。
しかし、大変失礼なことは承知の上で言えば、今はこの議題はどうでもよろし
い。
やはり世間の関心事は「東京オリンピック」そのものだ。
新型コロナウイルスによる影響で1年の延期となっていた東京オリンピックをこ
の2021年に開催するのかどうか。周囲の関心はその一点に注がれているとい
っても過言ではない。
IOC及び東京オリンピック組織委員会は昨年のオリンピックの延期の決定以降
も何度も繰り返しオリンピックの開催、それも縮小開催ではなく正常な開催を主
張してきた。
すでにオリンピック開催に向けての整備も進んでおり、また近日中に開始される
聖火リレーの準備も進んでいる。
はっきりと言ってしまえばもう相当な額の大きな資金が流れ込んでおり、競技そ
の他の放送における中継権や、オリンピックそのものにおける収入額など言い始
めたらきりがなく、今さらオリンピックの中止に向かっていけない状況だ。
日本国内の世論としては、国民の8割以上がオリンピック中止、あるいは再延期
を望んでいる状況下であっても、何としても開催にこぎつけなければならないと
しか言えない。
現状から考えるにオリンピックが終了し、海外からの関係者などが帰国した後に
日本国内ではいろいろな新型コロナウィルスの変異種が猛威を振るいだす情景が
容易に想像できる。
東京オリンピックの開催そのものについては確かに喜ばしいことではあるもの
の、その後のことを考えると相当大きな不安を内包したままでの開催決定と言わ
ざるをえない。