6日、北朝鮮は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)から自国の
選手を守るという名目で2021年夏の東京オリンピックへの不参加を表明し
た。北朝鮮が夏季オリンピックに参加しないのは、東西冷戦下で開催された19
88年韓国のソウル五輪をボイコットして以来となる。なお、北朝鮮の発表では
北朝鮮国内に現在は新型コロナウイルスの感染者はいない。
一方、韓国の文在寅大統領は東京オリンピックで南北合同チームを出場させるこ
とで南北関係改善への気運を高めたいと考えていたが、それが頓挫した格好だ。
さらに、韓国と北朝鮮は2018年の南北首脳会談で2032年夏季のオリンピ
ック共同開催を目指すことで合意したが、今回の北朝鮮の不参加でその計画も停
滞する可能性が出てきた。
韓国統一省は、東京オリンピックが南北間の平和と和解を促進する契機となるこ
とを願っていたが実現できないのは残念だ、とコメントした。
東京オリンピック組織委員会は北朝鮮が不参加との報道を承知の上で、オリンピ
ックの成功に向けて他の国々と協力すると表明した。
今回の北朝鮮による東京オリンピック不参加の表明に関しては過去のいきさつか
らもさまざまな憶測を呼ぶこととなっているが、ここで本当の理由が新型コロナ
ウイルスのパンデミック(世界的大流行)から自国の選手を守るということの他
にあったとしても、新型コロナウイルスが理由で不参加というのは妥当な判断に
なるといえよう。
さらに言えば、平昌冬季オリンピックの際には統一旗を掲げて南北一緒に統一
KOREAとして開会式に出ていたが、今回北が東京五輪に参加しないということ
になれば南はどうするのか。
今後の動きに注目が集まるところである。