
東京オリンピックの開会式に出演の予定であったタレントの渡辺直美さんをブタ
として演じさせるといったプランを提案し、その容姿を侮辱するようなメッセー
ジをチーム内のLINEに送っていたとして、東京オリンピックの開会式、閉会
式の演出を統括するクリエーティブディレクターの佐々木宏氏が、18日にその
事実関係を認めて辞意を表明した。佐々木氏は広告大手の電通出身のクリエーテ
ィブディレクターで、これまでに数々の人気CMを手がけてきており、生み出し
てきたヒット作は数多い。
その手がけた作品として代表的なものとしては、ソフトバンク「白戸家シリー
ズ」、コーヒー飲料「BOSS」の「宇宙人ジョーンズシリーズ」、JR東海の
「そうだ京都、行こう」など多数にわたる。
かつて前回の2016年のリオデジャネイロオリンピックの閉会式では、オリン
ピックの旗を引き継いで東京を世界にPRする「ハンドオーバーセレモニー」を
企画演出した。
その当時の安倍晋三首相をスーパーマリオ役でサプライズ登場させた演出も佐々
木氏のもの。
同年の9月、当時の東京オリンピック大会組織委員会の森喜朗会長からの「マリ
オ役として安倍首相はどうか」といった提案を、「素敵なことになると受け入れ
た」といった舞台裏を明かしている。
しかし、さまざまなこの輝かしい功績がまったくもってこの最低レベルの発言で
すべてが泡と消えたといっても過言ではあるまい。
すでにこの発言は世界中にも発信されており、さまざまな批判にさらされている
のが現状だ。
東京オリンピック開催に向けての盛り上がりの機運に水を差した行為であったこ
とは疑う余地もないのだ。