
東京オリンピックでは野球競技が行われるとあって
野球ファンとしては特別な思いを抱いている方々も多いと思う。
これが次回、2024年のパリオリンピックでは行われないとあって
今回の東京オリンピックの意味合いがますます大きくなっている。
その次、2028年のロサンゼルスオリンピックでも野球の開催は怪しい
といわれているからなおさらその思いが強まるばかりだ。
仮に、野球を離れて考えてみよう。
延期、という選択肢がとられたとしたらどうだろう。
再延期はない、というように世間ではとらえられてはいるが
1回あったものが2回あっても何ら不思議ではなかろう。
2022年の開催となったら?
夏と冬が同じ年に行われるということになる。
別段驚くほどのこともないと思われる。
過去はそうやって行われてきた。
それで大混乱になったという話題も聞かない。
ただ、次回の開催が延期されるわけではないから
次との間隔が詰まってくることになる。
あまり間が無さすぎると
「4年に1度」という時間的な重みが薄れてくるのではないかと言う声が
出てくるのもあるだろう。
では、
全く考えたくもないシナリオではあるのだが、
中止という選択肢がとられた場合はどうか。
可能性としてはありだろう。
ただ、日本人としてはほんとうに思いたくもない選択である。
さらに、日本以外でもこの選択はどうしても避けてもらいたいという
国や地域はたくさんあるのではないかと思われる。
とりあえず今回は中止、となったとする。
その代わりと言ってはなんだけれど
将来の開催について優先的に選んであげますよ、
と言うより、
もう将来のまだ開催場所が決まっていない年に自動的に決まります、
なんてこともあるかもしれない。
そうなったら、
その年の開催地に立候補する気満々のところがあったら
それはないでしょ、ということになる。
なんのためにその年の開催目指して準備してきたと思ってるの、
となる。
そしてまた、オリンピックというのは同じような地域で続けて行われないような
システムになっている。
今回はアジアだったら
次はヨーロッパとか
アメリカ、アフリカ、、、のように。
北半球だったら次は南半球へ行くなどだ。
その場合、
変則的にある年に東京での開催が組み込まれたとしたら
その次の開催地の枠が減ることになる。
結局、ここでもそのしわ寄せを受ける立候補予定地が多数出ることは
容易に予想できることだ。
以前、オリンピック開催を逃した大阪だって決して
開催をあきらめてしまったわけではない。
今でもいつかは大阪でオリンピックが見られたらいいな、という声が
あるのは事実だ。
2025年に大阪で2回目の万国博覧会が開かれるが
次はオリンピック、という期待感は根強くあるのである。
こう考えると、東京オリンピックの延期や中止で影響を受けるのは
海外だけにあらず、ということである。
ところで、
オリンピックは夏季だけではない。
もう2022年には冬季オリンピックが控えている。
そう、北京である。
この北京でのオリンピックに東京オリンピックが影響を与えない
わけがない。
もし、東京オリンピックが中止などになったとしたら
今回の一件で何かと強い風当たりを受ける
かの国でのオリンピックにも冷たい視線が投げかけられることに
なるであろう。
東京は中止になったのに北京はそのままか、ということ。
まして、夏ではなくて冬である。
余計にリスクが大きやしないか、ということになろう。
そして、
これもまた考えたくもない話ではあるが
北京も東京と同じような結果となった場合、
また将来の開催地についての優先枠などということになってくるだろう。
そうなると
この東京オリンピックの結果が
夏季だけでなく冬季にも大きな影響を与えてしまうこととなってしまうのだ。
いわずもがな、
オリンピックというのは国際オリンピック委員会の運営によって行われる
世界的なスポーツの祭典である。
過去、中止になったことはあっても延期になったことはない。
オリンピック憲章、
つまり国際オリンピック委員会が定めたオリンピックについての憲法
みたいなもの、の中にも
延期する、などといった概念は存在しないと思われる。
それを今回行った。
正しく言えば
行わざるを得なかった。
いわゆる、苦渋の選択、だ。
その苦渋の選択をした手前、
中止といった選択肢は存在しないと考えるのが普通であろう。
そうなると、
今まで論じてきたことのような、、、ということである。
何度も言うが
この東京オリンピックがどうなっていくのかの結果が
今後何年どころか十数年、いや、もしかすると数十年にわたって
世界中に影響を与え続ける可能性があるといっても
過言ではなかろう。
ただ、今はおとなしくその決定を待つしかあるまい。