
今年の7月23日に開幕する東京オリンピックについて、政府は海外からの観
客の受け入れを見送る方向で調整に入ったということだ。
今後、IOC(国際オリンピック委員会)やその他機関などと協議して3月末をめ
どに最終的な判断をするということだ。
これは、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念する声が引き続き大きい国内情勢
に配慮したものといえる。
なお、国内での観客の受け入れはその人数などの規模を含めて引き続き検討して
いくということだ。
現在、海外からオリンピックを機に訪れるであろうと想定される観客数は100
万人の規模にも及ぶとされており、いわゆるインバウンド効果を期待する声は政
界のみならず経済界にも相当根強いものがあった。
菅義偉首相もこのオリンピックを新型コロナで冷え込んだ経済の高揚対策として
重視していたのだが、現状では海外においてはヨーロッパなどにおいては新型コ
ロナの変異株の流行拡大などが続いており、ワクチンの接種が進んでいるとはい
え今後が見通せない状況のもとでは外国からの観客を受け入れるのは無理である
という結論に達した。
オリンピック開催に関して言えば、IOCの中では来年の2月の北京での冬季オリ
ンピックや、さらに2024年のパリでのオリンピックと続いていく中で、東京
オリンピックで何らかの失態があれば今後開催のオリンピックにも重大な影響が
出かねないといった懸念から今回のこの日本政府の判断もやむなしといったとこ
ろである。
ただし、海外からの観客の受け入れを見送る方向といえども、選手団およそ1万
人と、その関係者においてはおよそ数万人規模と言われており水際対策を徹底し
なければ先述の新型コロナの変異株が日本でも拡大する恐れも十分にあり、検査
体制のさらなる充実が求められるところである。