10日、(日本時間11日)、パイレーツからFAとなっていた筒香嘉智外野手が
来シーズンもパイレーツに残留することとなった。筒香にはメジャーの複数球団
が興味を示していたが、今シーズン途中に移籍したパイレーツが来シーズンの中
軸として積極的にアプローチをかけていた。金銭面などを含めてまだまだ条件に
折衝の余地を残してはいるものの、年俸400万ドル(約4億4000万円)前
後で決着する見込みとなっている。
契約条件は
筒香は、渡米2年目となった今シーズン、レイズ、ドジャース、パイレーツへと
渡り歩いてきた。そして、公式戦終了直後からラブコールを送ってきてくれてい
たパイレーツの熱意を受け止めた。まさに来シーズン残留が決定的となった。パ
イレーツへ移籍した8月以降、持ち前の長打力と勝負強さを発揮した筒香に、FA
後はレッドソックス、アスレチックス、レンジャーズなど6、7球団が強い興味
を示していた。その中でもパイレーツは複数年契約を用意し、いち早くアプロー
チをかけていた。代理人を務めるジョエル・ウルフ氏によると、筒香は金銭面以
上にレギュラーとして「毎試合プレーできる環境」を最優先事項としており、1
年契約での勝負を望んだということだ。ウルフ氏もその意向を尊重して交渉を進
めてきた。カリフォルニア州カールスバッドでのゼネラルマネジャー(GM)会
議に出席中のパイレーツのベン・チェリントンGMはこの日、「幸運にもヨシを
獲得して以来、彼はすばらしい仕事をしてくれた。見ていて楽しかった。」と筒
香への思いを語った。その上で、「契約年数などについては話せないが、我々は
いろいろなことについて話している」と交渉が最終段階に近づいていることをう
かがわせている。その前日9日に取材に応じたウルフ氏は、1年契約を望む背景
としてチーム再建途上のパイレーツがもし来シーズン途中に優勝争いから脱落し
てしまった場合、筒香が上位球団へトレードで移籍することも想定している。ま
た、活躍次第では来シーズン以降の長期大型契約となる可能性にも含みを持たせ
た。筒香は今シーズン3球団を渡り歩き、マイナー降格も経験した。そして、は
い上がってきた過程で多くの収穫を得た。今までと同じように、来シーズンも真
価が問われる勝負の1年となる。まずは、パイレーツの主軸としてチーム力の底
上げに尽力することが、来シーズン筒香に課せられた仕事となる。