7日(日本時間8日)、レッドソックスの澤村拓一投手が本拠地ボストンで行わ
れた対マーリンズ戦で6回表からリリーフ登板。1回1/3を無安打1四球無失
点に抑えてメジャー2勝目をマークし、日米通算50勝に到達した。なお試合は
5対3でレッドソックスが勝利した。
評価はうなぎ上りだ。澤村はレッドソックス3点リードの6回表二死一、二塁の
場面から4番手投手としてマウンドへ向かった。マーリンズの2番マルテ外野手
に四球を与えて満塁とし絶体絶命のピンチの場面を自ら作り出してしまったもの
の、ここからが違った。グランドスラムを被弾すれば一気に逆転される大ピンチ
の中、マーリンズの主砲・3番アギラル内野手を93・9マイル(約151キ
ロ)の伝家の宝刀スプリットで空振り三振に斬って取り、マウンド上で雄叫びを
あげた。そしてフェンウェイ・パークのスタンドから大歓声を一身に浴びた。
続く7回表も続投となった。4番・ディカーソンを左飛、5番・クーパーにはこ
の日最速の97・1マイル(約156キロ)で二ゴロに仕留めて簡単に打ち取る
と、最後は6番・デュバルからフルカウントまで粘られるものの再び94・1マ
イル(約151・4キロ)のスプリットで空振り三振を奪い、マーリンズの中軸
を三者凡退で難なく料理した。
この試合、レッドソックスはピベッタが先発マウンドに立ったものの5回途中で
降板となった。その後はマーリンズの猛追を受けながらも6投手の継投リレーを
駆使して5対3で逃げ切って5連勝とし、澤村が勝利投手となった。澤村にとっ
ては4月23日(日本時間24日)のマリナーズ戦以来の白星となった。前回登
板の4日(日本時間5日)のヤンキース戦では3点リードの7回から2番手とし
て登板し、5つの三振を奪うなど2イニングを無失点に抑えた。この快投でニュ
ーヨークのメディアからも、「ライバルのボストンに厄介な存在が加わった」
「恐るべきモンスターだ」などと評され、強烈なインパクトを与えていた。その
ヤンキース戦に続いて3試合連続無失点と澤村は安定した投球を続けており、自
身の成績も防御率2・63、WHIP1・33となっている。地元紙「ボスト
ン・グローブ」のレッドソックス番を務めるピート・アブラハム記者は、この日
の澤村の快投を「昨シーズン、一時は日本のマイナー(巨人で二軍)に降格した
澤村拓一。今、彼はフェンウェイ・パークで満塁のピンチの場面で94マイルの
スプリッターを投げて三振を取っている。」と驚きを込めてツイートした。そし
て、日本で一時不遇だったことを振り返りつつ、MLBの世界に飛び込んでから
は水を得た魚のごとく大暴れする右腕の活躍ぶりを称賛している。