先日、テレビ出演した阪神の矢野燿大監督は今シーズンの開幕投手について問わ
れると意外な投手の名前を挙げた。同じく出演した井上ヘッドコーチが候補とし
て秋山拓巳1人の名前を挙げたのに対して、矢野監督は、青柳晃洋、秋山拓巳、
西勇輝と周囲が予想するような面々の名前を挙げた上、伊藤将司の名を付け加え
た。これに対して矢野監督は、「(競争を)楽しみたい」と語った。

伊藤は昨シーズン新人ながら10勝7敗、防御率2.44と安定した成績を残
し、首脳陣からの高い信頼を得るに至った。「競争」を強調した矢野監督は、
「俺は競争ってずっと言っているから。(伊藤)将司だってその可能性がないわ
けではない。競争のなかに『入ってこいよ』っていうか、『入ってきてくれたら
な』っていう期待を込めて、名前を入れた。」と2年目左腕の名前を挙げたこと
を説明した。さらに、チームに「絶対的エース」が存在しない現状について、
「弱みでもあるし、強みでもある」というように表現した。そして、昨シーズン
18勝(5敗)と圧倒的な成績を残したオリックス・山本由伸を例に出して、
「エースで1人ですごいたくさんの貯金をつくるというのは、ありがたいこと」
とした上で、「うちのチームでいえば、全員が安定して貯金してくれたら、それ
はそれでやっぱり頼もしい。俺としては『強み』と捉えて、全体が上がっていく
ような先発投手陣にしていけたら。」とその相乗効果についての期待を語った。
今オフ、伊藤はさらなるレベルアップを目指して阪神在籍時に3度の開幕投手を
務めたオリックス・能見篤史に弟子入りし、ともに自主トレを行った。そこで、
「個人としては最多勝を取れるように、去年の青柳さんくらい勝てるようにやっ
ていきたい」と今シーズンさらなる高みを目指す強い意志を語っていた。昨シー
ズンは13勝を挙げて最多勝のタイトルを獲得した青柳、2年連続2桁勝利を挙
げた秋山、2020年に開幕投手を務めた実績十分の西との開幕投手争いの激戦
を伊藤が制することができるか。
過去の開幕投手たち
過去の阪神ではセ・パ2リーグ分立後、開幕投手を最も多く務めたのは小山正
明、江夏豊、ランディ・メッセンジャーの3人が記録している6度。伊藤が入団
2年目に開幕投手の座を射止めることができたならば、阪神では1985年の池
田親興以来で、左腕に限定すればチーム史上初となる2年目での大役となる。ち
なみに、右投手に限れば2リーグ分立後にはこの他1954年の小山、1960
年の村山実が2年目で、1952年の三船正俊、1955年西村一孔は新人での
大役を務めた。助っ人外国人投手では1987年のマット・キーオが来日1年目
で務めた。かつての大エース左腕江夏も初の大役は3年目であり、左腕で2年目
以内に開幕投手なら初めての快挙となるのだ。3月25日、京セラドームで昨年
の覇者ヤクルトを迎え撃つマウンドにはいったいどの投手が立っているのだろう
か。今後の開幕投手争いから目が離せない。
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