3日、甲子園球場で行われたプロ野球セ・パ交流戦の阪神対オリックス戦は、7
対3でオリックスが勝利した。
雨の中でのこの試合、阪神の主砲とも言える2人が雨を切り裂くようなアーチの
競演を見せた。まずは4番の大山。初回、2死の場面でランナーを1人おいてバ
ックスクリーン横に特大の先制2ランを放り込む。続いては2回裏だ。先頭の佐
藤がこれも大山と同じようなところへ特大のソロをたたきこんだ。この時点まで
は試合は阪神の快勝ペースだったのだが、結局阪神の得点はこの2点のみに終わ
り、しぶとく粘ったオリックスが最終の9回裏を去年まで阪神に在籍した能見が
抑えて逆転勝ちを収めた。これでこの3連戦はオリックスは2勝1敗で勝ち越し
た。
「4番・三塁」は大山か佐藤か
試合は敗れた阪神だが、大山と佐藤、この2人の活躍にはまた今後さらに「どち
らの方が4番か、はたまた三塁はどうか」との議論が再燃しそうな気配だ。
去る5月15日、東京ドームで行われた巨人対阪神戦の解説に象徴的な場面があ
った。この日の解説者は広沢克実氏と八木裕氏。ここで佐藤についてはまったく
正反対の意見となった。
その当時、開幕以来「4番・三塁」を務めていた大山が背中を痛めて戦線離脱中
だった。そこで復帰後の大山の起用法についての話となった。八木氏は、「佐藤
選手は阪神の将来を担うスター選手。ポジションはサード、打順もそのまま4番
でいいでしょう。」との意見に対して、広沢氏は、「大山選手が下り坂の選手な
ら仕方ない。でも彼はまだ若いし、4番としてこれから頑張っていく可能性もあ
るなかで、佐藤のためにポジションを外されてはかわいそうでしょう。」と正反
対の意見だった。
どちらがいいのかそれはわからない。結果的には、大山は復帰後「4番・三
塁」、佐藤は「6番・右翼」と元の形に戻ることとなった。ただ、今後の結果や
内容次第では矢野監督もこの配置について考えていくことになるのではないかと
思われる。
さらに時間をさかのぼれば、2月のキャンプ時にもこの話題は持ち上がってい
た。佐藤に三塁の守備が務まるのかどうか。その頃、大山が背中を傷めて別メニ
ューになったこともあるが、もともとサードの佐藤を外野で起用しようとしたの
は、プロのレベルではサードは難しいのではないかという見方もあったからだ。
ただ、佐藤を指導した臨時コーチの川相昌弘氏は守備には問題ないと話してい
た。 「佐藤選手のサード守備は実戦派ですね。器用さが必要なプレーは自分でも
できると感じていると思います。センスもいい。スローイングは自信を持ってい
ると思いますし、グラブさばきもいいですよ。これから練習を積んでいけば楽し
みな選手だと思います。」また、元阪神監督の岡田彰布氏は「守備も悪くない。
サードで起用すべきと思う。外野のスローイングに比べても、サードのほうがい
い。大山とサードで競わせたらいい。」と話す。
まだまだシーズンは長い。阪神ファンとしてはこの2人にこのまま行ってほしい
といったところではあろうが、これからの長丁場どう転んでいくかは誰にもわか
らない。阪神のチーム状況がいいだけにとりあえずはこのままの形で、といった
ところに収まることになるのであろう。