5日、敵地神宮球場にて行われた対ヤクルトスワローズ戦で、阪神タイガースは
2対2で今シーズン初の引き分けに終わった。
この試合、阪神が2点を先制するもヤクルトに土壇場で追いつかれ今季初めて引
き分けた。これまで阪神はセ・リーグ6球団の中で唯一引き分けが無かった。ま
た、今シーズンのデーゲームで初めて勝利できずに終わった。
1点リードで迎えた8回裏にリリーフ岩崎が2死三塁から青木に二塁へのタイム
リー内野安打を許し、同点に追いつかれた。中継ぎエースとして活躍の岩崎は1
0試合ぶりの失点となった。ただ、阪神にとって痛かったのは1点リードの七回
表の攻撃だ。先頭の佐藤が中前安打で出塁し、梅野の犠打で二塁に進んだ。中野
が三振に倒れた後、代打糸井が打席に入った。ここは阪神にとっては何とか追加
点が欲しい場面。ヤクルトは糸井を迎える直前にマウンドへ集まり、伊藤投手コ
ーチを中心にひと呼吸置いた。ここでマウンドの今野がサインをのぞき込むタイ
ミングで捕手の古賀が合図を送り、クルッと向き直って二塁へけん制球を投じ
た。遊撃手の元山とのタイミングもバッチリで、佐藤は戻りきれずにけん制で刺
されアウトとなりこの回の攻撃終了となった。ヤクルトのバッテリーと、元山の
息の合ったサインプレーであった。糸井は1球も見ることなく、その裏にはピッ
チャーの岩貞と交代した。チームは今季13戦全勝だったデーゲームで初めて勝
てず、ヤクルト戦の7連勝もお預けとなった。ただ、負けたわけではないが何と
も歯がゆい終わり方となってしまった。
試合後、矢野監督はこのプレーでの佐藤について問われると、「流れの中であそ
こでアウトになるというのは良くないし。ただ、相手もすごくうまかったし。気
を抜いたということでもないんでね」とルーキーをフォローした。佐藤にとって
は反省材料となったが、「痛いアウトにはなったんでね、逆に今日引き分けでよ
く終われたなっていう部分もあるし。テル自身はそういうものを経験にして、次
からどうするかっていうことの方が大事なので。仕方がないかなと思っていま
す」と前を向かせるように話した。