
12日、楽天生命パークで行われたセ・パ交流戦楽天対阪神の一戦は、9対1で
阪神が勝利した。この試合で、阪神ドラフト1位佐藤輝明が、6回表に楽天先発
田中将大から16号ソロを放った。田中の内角135キロスライダーを捉えて右
翼席へ5試合ぶりの一発となった。佐藤は自身が持つ交流戦の新人最多記録を更
新する6本目の本塁打となった。試合後、佐藤は「球場に見に来てくれたおじい
ちゃん、おばあちゃんの前でホームランを打つことができて良かったです。日本
を代表する田中投手から打てたことも素直にうれしいです。もっと打てるように
頑張ります。」と話した。これで佐藤は交流戦通算12打点とし、2019年中
川圭太(オリックス)の新人最多に並んだ。
楽しみな対決がやっと訪れた。田中将大VS佐藤輝明がついに実現した。2人は
ももいろクローバーZのファンを指す「モノノフ」同士で、佐藤は甲子園での登
場曲に田中がヤンキース時代に使用していた「吼えろ」を採用している。日米通
算179勝を誇る「モノノフ本家」との初対決となった一戦へ、「球界を代表す
る投手の1人。そういう投手に自分がどれだけやれるか。自分は自分のことをす
るだけ。いつも通りと思っています。」と意気込んでいた通りのバッティング
で、自分のスイングを貫いた。野球人としても、「モノノフ」としても、記憶に
残る1本になった。
ホームランを打ちたい理由があった
どうしても今日はホームランを打ちたい理由があった。2日連続で、宮城・村田
町に住む父方の祖父勲さんと祖母美智恵さんが観戦に訪れていた。高校まで毎
年、盆と年末に帰省した際にはかわいがってもらった。佐藤は2人に「もっとホ
ームラン、打点とかそういうのも見てもらいたいです」と語っていた。近大時代
の昨年10月には、リーグ記録を更新する14号、阪神入団後は3月27日、神
宮球場での対ヤクルト戦のプロ第1号をともに生観戦で見届けてくれた祖父母
に、また最高の景色を見せることができた。
過去の記録を見れば、左打ちの新人で16本塁打は、1955年榎本喜八(毎
日)、1984年小早川毅彦(広島)、1999年福留孝介(中日)に並ぶ記録
となった 。なお、左打ちの新人の最多は1946年大下弘(セネタース)の20
本で、2位は1998年高橋由伸(巨人)の19本となっている。新人全体の最
多となると、1959年桑田武(大洋)、1986年清原和博(西武)の31本
で、現在佐藤はその折り返し地点まで来た。今シーズンはまだ80試合以上を残
しており、記録更新への期待が膨らむばかりだ。