昨日13日深夜、関西テレビ系列の番組に阪神タイガースの矢野燿大監督が出演
し、ルーキー佐藤輝明について熱く語った。大活躍の前半戦とは打って変わっ
て、後半戦で絶不調に陥り9月10日にはついにプロ入り初の2軍落ちとなった
佐藤に、「『俺を使えよ』と、どれだけ思えるかが大事」と矢野監督は佐藤自
身、自らの努力による奮起を期待した。
佐藤について矢野監督は
矢野監督はまず佐藤選手の現在地について、「壁に当たっているというか、相手
にどんどん弱点を突いてこられる攻め方をされているので、結果もなかなか出な
い」との認識を示した。その上で、「まだこれから何回も来るであろう壁に対し
て、試合に出ない時間をどう使っていくのか。テル自身がどう壁をぶち破ってい
くかという時期かなと思う。」と語り、ルーキーの佐藤選手にとって今はプロの
壁と対峙する試練の時でもあると語った。さらに、佐藤選手のスランプ脱出の手
段について「自分で考えて、もがいてやることもあっていいのかなと。一人でマ
シンに向かって打つとか、自分一人でスイングするとか、やっぱり自分で考えて
やるっていう時間も必要だと思う。それが自分なりの引き出しになっていく部分
も多いので。」と、まずは自分の力で試行錯誤を重ねてみることだと指摘した。
そして、「試合に出られないことを、彼が『クソーッ!』ってどれだけ思える
か。『俺を出したら良いのに』、『俺を使えよ』とどれだけ思えるかっていうの
が大事。今はしっかり『見る』時かなと思っている。」と続けて、怪物ルーキー
が試合に出られない時間をプラスに変え、絶不調から這い上がって来る姿を見守
っていく姿勢を示した。
現在の佐藤は
ただ、甲子園球場でのファームの試合を見る限りまず1軍に居た頃のように空振
りすることは格段に減っており、たとえ打ち取られるにしてもいい当たりが外野
方向にまで飛ぶ場面が増えている。ファーム初戦でもいきなりヒットも打ってお
り、とんでもないほどの注目を浴びる中、周囲からははかり取ることのできない
プレッシャーを受ける中でそれなりの結果を出して見せたのはさすがだと言える
だろう。
優勝に向けて
阪神はここから優勝へ向かっていくにあたっては使える戦力の見極めは非常に大
事になってくる。ここのところ打線が低調気味に感じられるのはやはり前半戦の
佐藤の活躍が今は無くなっていることが大きい。2軍には『俺を出したら良いの
に』、『俺を使えよ』の選手たちがひしめき合っている。ファームで打率の高か
った連中が今続々と1軍に上がって活躍を見せているが、そんな彼らが抜けた今
でさえ続いている2軍の連勝は1軍でも十分に通用するメンバーがそろっている
ということだ。つまり、現在の2軍は佐藤だけではないということだ。うかうか
していると今シーズンがこのまま終わってしまう、それほどの危機感を持って残
りのシーズンに臨んでほしい。