阪神のロベルト・スアレス投手が今シーズン限りで退団することとなった。11
月30日が提出期限となる保留者名簿から外れることが確定した。阪神球団は全
力を挙げて残留交渉を続けてきていたものの、スアレスは最終的にメジャー移籍
を決断した。

阪神ファンが一番恐れていたことがついに現実に・・・。絶対的守護神がタイガ
ースのユニフォームを脱ぐことになった。全力慰留に努めていた球団とスアレス
の残留交渉は11月29日までで終了した。その結果、30日が提出期限となる
保留者名簿から外れることが決定した。矢野監督は、去る26日にテレビ出演し
た際に「もちろん残ってほしいが、現状言えることは何もない」と現状では打つ
手がないとばかりその苦悩の胸の内を語った。移籍2年目の今シーズンは球団外
国人選手では最多の42セーブを記録し、2年連続でセーブ王のタイトルを獲得
したまさに絶対的守護神と呼ぶにふさわしい投手だ。6月8日の対日本ハム戦で
は球団最速の163キロをマークするなど、来シーズンの優勝を狙うにあたって
必要不可欠な存在だったが、スアレスが下した決断はかねてからの念願のメジャ
ーリーグへの移籍だった。
新守護神候補
実は、昨シーズンのオフも保留者名簿から外れた経緯があった。昨年12月に入
ってもなお球団と交渉が続き、その結果同月24日にやっと再契約となった。そ
こでは新たに2年契約を結んだものの、2年目となる来シーズンの選択権はスア
レス側が持つこととなった。昨シーズンオフと同様のケースであり、自由契約後
も交渉の余地はわずかに残されるものの、現状ではスアレス本人の意思は固いと
みられる。阪神にとっては大きな痛手となることは明確だが、ある程度このよう
な事態も想定し球団は水面下で有事に備えてきた。スアレスの後釜となる新外国
人選手を数名リストアップしている模様だ。新ストッパーの最有力候補として
は、パイレーツのカイル・ケラー投手の獲得調査に乗り出していることが判明し
ている。ケラー投手は、今シーズンはメジャーで32試合に登板した。防御率は
6.48と物足りない数字とはいえ、33回1/3を投げて36奪三振を奪いイ
ニング数を上回る三振は抑えとしての適性を示していると思われその期待は大き
い。今後の交渉次第では、12月中にも契約合意に至る可能性もある。

来シーズンは矢野監督にとっても勝負の4年目となる。もう後がないと言っても
過言ではない。守護神流出の一報に落ち込んでばかりもいられない。来シーズン
の優勝へ向けて現場のバックアップに球団も全力で補強作業を進行中だ。今後は
ポスト・スアレスの動きが一気に加速することは間違いない。