
山形新幹線の高速化の追求に伴い、JR東日本は山形新幹線の奥羽本線内に新たな
トンネル建設を検討している。
区間は庭坂駅から関根駅の間の区間。

単純に地図を見ただけでも急峻な山々の連なりが想像される。
トンネルで貫くことができればそれなりのスピードアップが期待できる。
このあたりは板谷峠と呼ばれ、板谷峠といえば交通の難所として昔からよく知ら
れていた場所である。
この区間はほとんどが急勾配となっており、設置された駅は勾配の途中から線路
を分岐させて水平な場所に建設されていた。
いわゆるスイッチバック方式である。
福島駅から米沢駅までの間の区間に、現在7つの駅が存在するが、1990年ま
でここにはこのようなスイッチバックの駅が4駅も連続する区間であった。
山形新幹線の奥羽本線乗り入れ直通化の工事で少しは改良されたとはいっても、
現在でも鉄道の難所であることには変わりはないのだ。
ちなみにスイッチバックの駅が4駅連続していたというのは赤岩駅、板谷駅、峠
駅、大沢駅のことをいう。
また、このうち赤岩駅は来たる3月12日をもって廃駅となる予定である。
JR東日本によると、新トンネルの建設にかかる費用としては約1500億円とい
う見積もりになるという。また、所要時間を約10分短縮できるとのことだ。
さらに、山形新幹線「つばさ」の走行区間は名だたる豪雪地域である。豪雪やそ
れに伴う強風などによってのため、「遅延、あるいは運休といったトラブルに見
舞われることが多い。
その自然災害によるトラブルに見舞われることがいちばん多い区間と言うのがこ
の福島駅から米沢駅までの間の板谷峠に集中しているのだ。
これをトンネルで厳しい自然災害に襲われやすい区間を回避できるのであれば
遅延や運休も減少し、費用面を考慮する以上のメリットがあるといえるのだ。
以上、見てきたように新トンネルの建設は大きなメリットをもたらすこととなる
だろうが、JR東日本は前向きに検討中、ということでその時期については未定と
なっているのが現在の状況である。
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