
日本郵便は、2021年の夏の「かもめーる」の発行を取りやめると発表した。
「かもめーる」とは毎年夏の時期に日本郵便が発行してきた暑中見舞い用のくじ
付きはがきのこと。
毎年6月から8月にかけて販売していたが、近年はスマートフォンなどの電子メ
ールの普及によって、発行枚数は低迷し続けていた。
これによって、「かもめーる」の発行は事実上の終了となる。
なお、2021年はかもめーるに代わって「絵入りはがき」が6月に発行される
こととなっている。
これは、暑中見舞いや残暑見舞いに使いやすい「ひまわり」と「ジンベエザメ」
の絵柄を入れたはがきで、かもめーるのような「くじ付き」ではなく、発行初日
の押印サービスも実施されない。
かもめーるの歴史
1950年(昭和25年)、暑中見舞用の郵便はがきが初めて発行された。
その後、1986年(昭和61年)から年賀はがきのように「くじ付き」となっ
た。
そして、海や夏を連想させる「かもめ」と郵便の「メール」を合成して、新たに
「かもめーる」の愛称で呼ばれることとなった。
このネーミングには、暑中見舞用の郵便はがきがより一層定着するようにとのこ
とで、「カモン・メール(郵便よ、いらっしゃい)」の意味も込められている。
年賀状への影響
このかもめーるの発行の廃止が今後どのような影響を呼んでいくだろうか。
真っ先に考えられるのが「年賀状」。
年賀状もかもめーる同様に、近年スマートフォンなどの電子メールに押されて発
行枚数は低迷し続けているのは事実。
今後、このような日本的なさまざまな習慣、文化がますます廃れていくその始ま
りと言ったら言い過ぎか。