フランスの高級紙「ル・モンド」が東京オリンピックを巡る現状を特集した。そ
の中で、新型コロナウィルスの影響下にある状況で開催が強行されようとしてい
る東京オリンピックについて、「ろうそくの価値もない」と切り捨てた。
ル・モンドは、「東京オリンピックの開会式まであと2か月もないが、デモや抗
議行動が増加している。また、医学界はこのイベントを健康状態とは両立しない
と考えている。」と報じた。日本国内で東京オリンピックの中止を求める声が圧
倒的多数になっている現状を伝えながら、デモ参加者の「オリンピックは貧しい
人を殺す」、「聖火を消そう」などといった悲痛な声を紹介した。さらに、医療
従事者からも反対の声が相次いでいる状況も報じた。
こうした点を踏まえた上でル・モンドは、「オリンピックよりも命を救う。日本
人にとってオリンピックはろうそくの価値もない。」と批判した。ろうそくと聖
火をかけながら、東京オリンピックの「火」は国民の生命を比較するとまったく
取るに足らないものだという指摘になっているものだ。カネのために暴走を続け
る国際オリンピック委員会(IOC)や大会組織委員会に対する海外からの批判
は確実に高まっているのが現実なのだ。
日本国民の大多数がそう思っている状況の中で、また専門家もそう思っている、
さらに海外メディアもそう思っている中でも国民の生命を犠牲にしてまでも開催
するということを止めることはできない。ル・モンドがこう報じたことが、フラ
ンスの東京オリンピック大会派遣選手たちの耳にはどのように聞こえているので
あろうか。ますますその異常性が高まっていく感は否めない。