エンゼルス・大谷翔平投手の今シーズンの投打にわたる活躍に刺激され、メジャ
ーリーグでは今二刀流転向を志願する選手が続出している。どうやらこのオフは
本職以外の練習をこなす選手が増えそうな気配だ。
二刀流に挑戦する選手たち
「チャンスを与えてくれるのなら、ぜひチャレンジしたい」とレッドソックスの
アレックス・バードゥーゴ外野手が語っている。レッドソックスの不動の左翼手
として、今シーズンは打率.289、13本塁打、63打点の成績を残してい
る。今シーズンのポストシーズンでは、現在のところチームトップタイの6打点
をマークしており、レッドソックスを3年ぶりのリーグ優勝決定シリーズに導い
た。バードゥーゴは、アリゾナ州・サフアロ高校時代はエース兼4番を務め、3
9試合に登板し26勝9敗、防御率2.19となっている。2014年のドラフ
ト2順目でドジャースに入団し、そこからは外野手に専念してきたが、このオフ
では大谷も通うトレーニング施設「ドライブラインベースボール」(ワシントン
州シアトル)で本格的に投手の練習に着手することとなっている。最速158キ
ロの”左腕”バードゥーゴは、「ショウヘイは先発だけど、僕はリリーバーをやっ
てみたい」と真剣そのもので話している。一方、秋山翔吾の同僚でレッズの右腕
マイケル・ロレンゼン投手は登板機会と打席数の確保を求めてこのオフ、FA権
を行使するものとみられている。昨オフに先発ローテ入りが決まりながらチーム
事情から救援を任されることとなり、今シーズンは27試合に登板し1勝2敗、
防御率5.59だった。右太ももを痛めて負傷者リスト(IL)入りしたことも
あり、打者としては1打席のみで空振り三振に終わった。メジャーリーグ通算7
本塁打を放っているロレンゼンは、このオフ先発ローテーションの確約と外野守
備を容認する球団を優先して交渉する見込みであるということだ。さらに、イン
ディアンスのアンソニー・ゴースは本職は外野手ながら今シーズンは投手に専念
して6試合、計6回3/2を投げて防御率1.35の成績を残した。ゴースは来
シーズンは投手と外野での出場を希望している。今シーズンの大谷の活躍は野球
少年に夢を与えたといわれるが、本当の意味で二刀流の刺激を受けたのは現役メ
ジャーリーガーだったと言えるのだ。1918年のベーブ・ルース以来となる
「2桁勝利&2桁本塁打」を目指すライバルが現れるか。来シーズンもメジャー
リーグから目が離せそうもない。