大阪から野球界その他さまざまな世界に一言もの申す

数十年来の野球ファンが大阪から日本の野球界その他いろいろな世界についてもの申すメディア

野球界のこと

プロ野球FA宣言に異状あり、宣言せずに残留を選手が選ぶ理由はコレ

投稿日:2021年12月13日 更新日:


プロ野球のFA(フリーエージェント)市場でちょっとした異変が起きている。

今年2021年度の国内および海外FA権のを持つ選手は合計97人となってい

る。その中で、12月8日の公示によれば、FA宣言を行ったのは中日ドラゴン

ズ・又吉克樹投手、横浜DeNAベイスターズ・大和内野手、埼玉西武ライオン

ズ・岡田雅利捕手のわずか3人のみだ。まったくもって、FA市場が停滞してい

ると言っても過言ではあるまい。

 

さらに言えば、その3人の中でも大和内野手、岡田捕手はすでにFA権を行使し

た上での残留を表明している。現状、移籍までを視野に入れている、ある意味で

は「純粋な」FA宣言を行ったのは、又吉投手のみだ。


今オフの目玉は残留

今オフの動向が注目されていた国内FA権取得選手としては、DeNA・宮﨑敏

郎内野手、阪神タイガース・梅野隆太郎捕手、広島東洋カープ・大瀬良大地投手

らが挙げられていた。読売ジャイアンツの菅野智之投手は、海外FA権を取得し

た。この宮﨑内野手、梅野捕手、大瀬良投手らは以前から今オフのFA市場の超

目玉と言われており、FA宣言を行えば数球団による争奪戦必至と前々から報じ

られてきていたものの、宮﨑内野手と大瀬良投手はFA宣言せずにそれこそあっ

さりと各々の所属球団と契約を交わし、最後まで熟考していると言われていた梅

野捕手も結局はFA宣言せず阪神と契約を交わすに至った。また、菅野投手もメ

ジャーリーグへの挑戦を封印して巨人に残留した。

 

上述のとおり、日本のプロ野球の2021年度のFA公示では、FA権利行使者

は3人のみ。移籍の可能性があるのは又吉投手だけだ。ちなみに、過去3年間を

見るとFA権を行使したのは2018年度が5人、2019年度は6人、202

0年度は7人。うち移籍した人数は4人、4人、2人だった。お世辞にもFA市

場が活況を呈しているとは言えない。

メジャーリーグとの違い

メジャーリーグはどうか。実はメジャーリーグではリーグに所属する選手は6年

間、一定期間ロースター(名簿)に名前が載るとFA権を取得する。そして、そ

の選手は日本のプロ野球のように宣言をせずとも自動的にFA状態となるのだ。

その数例年200人以上がFAになるという。もちろん、FA市場も「日本より

は」にぎやかなものとなっている。

 

さて、日本のプロ野球に目を戻すと日本ではFA権を取得できるまでの期間がメ

ジャーリーグよりも長くなっている。高卒入団では最低でも8年、大学・社会人

からでは7年を要し、FA権取得時点で30歳を超えることも多い。すでに選手

としての全盛期を過ぎている場合も多く、「FA権権を行使してもどこも契約し

てくれなかったら」といった不安を選手の側が感じてしまうことがFA宣言をす

る選手が少ないことの一因に挙げられよう。

  

また、メジャーリーグのように「自動的にFA状態」になるのではなく、日本の

プロ野球では「FA状態」になろうとすれば自分自身で「宣言をしなければなら

ない」。必然的にそこには「球団を出ていく」といったニュアンスが含まれる。

選手側からすれば、まず「FA宣言する」といった高いハードルが待ち受けてお

り、さらに宣言後は周囲からのさまざまな声にさらされ(そこには批判的なもの

もあるはずだ)、そのプレッシャーたるや半端なものではない。

その他の高いハードル

また、 各球団との事前交渉が禁止されていることも高いハードルのひとつだ。ど

のチームが獲得してくれるのかわからない状態でFA宣言をしなければならず、

選手からすればとんでもなく不安なはず。新たな受け入れ先が不透明なまま出て

いくことについては相当な覚悟が必要だ。これはどう考えても選手側より球団側

に有利なシステムだといえる。

 

さらに言えば、FA選手を取得した球団がその対価として移籍元球団に支払う人

的補償や金銭的補償の存在も大きくものをいう。必然的に金銭面などで余裕があ

る球団しかFA市場に手を出すことができなくなり、選手側からするともうその

時点で移籍先の選択肢が減ってしまうことになる。

 

特に、昨年来からの新型コロナウィルスの影響で無観客試合や入場者数の制限が

続き、どの球団も経営状況が悪化している。球団側がFA市場に手を出しづらい

状況下にあるということだ。この状況を選手側も十分に理解しているはずで、F

A宣言を躊躇させる一因に挙げられるだろう。

 

少なくともFAについては現在の制度、システムが続く限り今後もFA市場の停

滞は続いていくことになるだろう。せっかく存在する制度であるので大いに活用

されるべきと筆者は考える。これを活発化させるには、上記にあるさまざまな問

題点をひとつひとつ解決していくほかはない。メジャーリーグのシステムのよう

にするべきだとは言わないまでも、ある程度はそれに近いものに変えていくこと

が必要ではあるまいか。


スポンサードリンク

スポンサードリンク

-野球界のこと

執筆者:

関連記事

特例2021プロ野球ヤクルトスワローズ6選手出場登録抹消どの選手

プロ野球セ・リーグのヤクルト球団の発表によると、同球団の西田明央捕手が新 型コロナウイルスの陽性になったということだ。 これは、30日に球団関係者の1人が陽性の判定を受けたことに伴い、同日に実 施され …

大谷翔平6回2失点好投で7勝目2か月半負けなし6連勝、打つ方は?

12日(日本時間13日)、アナハイムで行われたエンゼルス対ブルージェイズ の一戦は6対3でエンゼルスが勝利した。この試合ではエンゼルスの大谷翔平投 手が「1番・投手」で先発登板し、今季7勝目を挙げた。 …

楽天田中将大投手NPB通算100勝国内いつ以来の勝利?何を語った?

24日、東北楽天ゴールデンイーグルス田中将大投手が本拠地楽天生命パーク宮 城での対西武戦に先発し、6回を投げて3安打1失点。チームは西武を2対1で 下して、田中投手はNPB通算100勝目をマークした。 …

レッドソックス澤村拓一近年の傾向によるポストシーズン登録外のナゼ

レッドソックスがヤンキースを下したワイルドカードに続き、レイズと対戦する 地区シリーズでも澤村拓一投手を出場選手登録から外すと発表した。澤村は、今 シーズンは全55試合に登板し5勝1敗、防御率3.06 …

DeNAオースティン2安打3打点打率.332セ・リーグトップ浮上

25日、甲子園球場で行われた阪神対DeNAの一戦は、3対0でDeNAが勝 利した。この試合で、DeNAのオースティンは初回先制の16号2ランを含む 2安打3打点の活躍を見せチームを勝利に導くと同時に、 …